その3
花が散り、待ってましたとばかりに天を仰ぐように咲く花水木。この木を見るといつも元気になります。 大好きな木のひとつです。
何年前になりますでしょうか?

 鎌倉を散策中、あるギャラリーで器を眺めながらお店のオーナーとおしゃべりをしている所へ、 若い素敵な二人連れが入ってきて、じっくりと器を見つめ、手にとり様々な質問をしている姿に 思わず声をかけたのが、今、多治見で「旬彩 和(なごみ)」という和食のお店を経営している 小川明宏さんと奥様の美穂さんでした。

 もちろんその時はまだ別のお店で修行中だったのですが、 何だかお互い感じるものがあったのか名刺交換をし、いずれ独立の時には教えてね、 なんておしゃべりをしたのでしたが・・・・・
 昨年の七月に多治見にお店を出されたとお手紙を頂いた時にはとても驚き、 そしてとても嬉しかったですね。若いお二人が夢をかなえられた事はもちろんのこと、 たった一度の出会いを覚えていて下さった事にとても感動いたしました。ということで、 この連休に夫と二人、車を走らせ行ってまいりました。
感動、感動、感動のお料理でした!!!

 奇をてらわず、真摯に作られたひとつひとつのお料理!
いずれ独立した時のためにと少しずつ集めてこられた器の数々!
旬の食材に逆らわず素材が生きる調理法!

 なんと言っても、魚嫌いの夫が鯛の汐汁を一滴も残さず飲み干してしまった事。
人生54年で初めて鯛の汐汁を美味しいと思ったそうです。
献立のめりはりといい、食材の選び方といい、夫は私以上に感動し、久し振りにきちんとした料理を頂いたと、 ただ、ただ満足の顔でした。

 お店を出てからも、私たちの車が見えなくなるまで小川さんは頭を下げて見送って下さいました。
 この季節の多治見は満開の花水木でいっぱいになり、まさに花水木通りとなっており、 織部そして志野焼の器を探す楽しみと花水木の中を歩く楽しみ、そして「なごみ和」での美味しい料理が重なり、 至福のひとときでした。

 今は花水木ももう青々とした葉になっていることでしょう。
ちょっと足を伸ばして、先人の技を受け継いできた伝統の器にふれ、「和(なごみ)」で美味しいお料理に 舌鼓を打つ旅に出てみませんか?
旬彩「和 (なごみ)」(夜のみ)
住所:岐阜県多治見市音羽町4-94
電話:0572-24-5055
仙太郎窯
住所:岐阜県多治見市市之倉10-98
電話:0572-22-3750
Fax:0572-25-6028